Revit 2027が鉄筋機能を見直した。では、REBOは何をするのか
Autodeskは2026年4月にリリースしたRevit 2027とその後のアップデートで、鉄筋を3Dで配置するツールと鉄筋重量の自動計算を強化しました。Revitの中で鉄筋を配置する作業は、標準機能とアドインが急速に埋めつつあります。まだ人の仕事として残っているのは、継手をどこにどの方式で設け、定着・かぶり・定尺長さをどの基準で決めるかです。REBOはこの判断を韓国の基準(KCI・KSEA)に従ってRevitの中で行い、その結果の数量表をRVに渡して、リビジョン比較と社内実績の蓄積までつなげます。
公開 2026年10月23日·確認時点 · 2026年10月
要点
- Revit 2027の鉄筋新機能は予告ではなく、すでにリリースされています。3Dパス配置、間隔の数式指定、帯筋の形状に追従する主筋、橋梁・トンネル向けの自由形状継手、鉄筋重量の自動計算が加わりました
- REBO v1.0は2026年10月20日にリリースされました。実在の建物1棟(部材778)で、鉄筋67,360本を約9分で自動配筋しました(社内測定)。継手・定着・かぶり・定尺長さの判断まで終えた鉄筋が、Revitの3Dモデルとして出力されます
1Revit 2027で鉄筋の何が変わったか
Autodeskの公式ドキュメント「What's New in Revit 2027」に掲載された鉄筋関連の項目は以下のとおりです。すべてリリース済みの機能で、鉄筋の項目にTech Previewと表示されたものはありません。
| リリース | 項目 | 公式説明の要旨 |
|---|---|---|
| 2027 | 3D Path Rebar Shape Distribution | 二方向に曲がった曲面のコンクリート部材で、帯筋・あばら筋を3Dパスに沿って配置 |
| 2027 | Enhanced Spacing Layout for Rebar | 固定・可変・比例の値を組み合わせた間隔を一つの数式で指定(ユーザーのアイデアを反映) |
| 2027 | Longitudinal Bars Driven by Transverse Rebar | 主筋が帯筋・スパイラル筋の形状に追従し、形状が変わると自動更新 |
| 2027 | Longitudinal Free Form Rebar Splicing | 橋梁・トンネル向け自由形状主筋の継手を改善 |
| 2027 | Easy Rebar Weight Calculation | 鉄筋重量をプロパティ・一覧表・タグに自動表示(ユーザーのアイデアを反映) |
| 2027 | Concrete Detailing Ribbon | 現場打ち・プレキャストの鉄筋ツールを一つのリボンタブに整理 |
| 2027.1 | Place Standard Rebar Shapes in 3D Views | 標準形状の鉄筋を3Dビューで直接配置 |
| 2027.2 | Presentation Options for Spliced Rebar Sets | 継手を設けた鉄筋セットの表示制御 |
Autodeskのブログはこれを「鉄筋が置かれた部材(ホスト)が変わると鉄筋も一緒に変わり、配置・継手・間隔はルールに従って自動で更新される」と説明しています。部材が変わると鉄筋が追従する機能と、類似部材に鉄筋をコピーする機能(Propagate Rebar、2023)はすでにありました。2027は追従の対象を、曲面部材と帯筋に追従する主筋にまで広げました。ここでいう「ルール」は、ユーザーが入力した間隔の数式と継手ルールです。継手位置や定着長さを特定の国の配筋基準で判断するという説明は、発表資料にはありません。Revitの継手機能は2025バージョンからあり、重ね継手の長さはユーザーが値を直接入力するか、ユーザーが決めた倍数に鉄筋径を掛けて決めます。
ユーザーが長く求めてきたのもこの部分です。2017年にRevit Ideasに投稿された「automatic rebar splitting」は86人が推薦し、現在は「実装済み」となっています。投稿者は「鉄筋径ごとに重ね継手の長さが違う」として、手作業で継手を分けるのに2週間かかると書いています。2022年の「Rebar automation like steel connections」には「プレキャストと鉄筋の分野の自動化は期待したほど進んでいない」というコメントが付きました。2027のリリース直後、Reddit r/Revitには「わあ、ついにAutodeskが鉄筋に目を向けた」という題の投稿がありました。
2Revitの中の鉄筋ツールはどこまで来たか
本稿ではRevitを使うチームの選択肢だけを見ます。Tekla・ALLPLANのような独立したBIMプラットフォームは、モデリングから加工データまで自らのエコシステムの中で扱うため、比較から外しました。以下は、Revitの標準機能とRevit上で動くアドインを公式ページで確認した範囲です。
| 製品 | 形態 | 鉄筋の作成 | 基準・設定 | 数量・加工データ |
|---|---|---|---|---|
| Revit 2027 標準機能(Autodesk) | Revit | 形状・パス・間隔を指定して配置、部材形状が変わると鉄筋も更新 | 重ね継手の長さはユーザーがタイプに設定 | 鉄筋重量の自動表示、一覧表 |
| SOFiSTiK Reinforcement | Revitアドイン | 3D鉄筋モデリングツール | 公開ページで対応国の一覧は未確認 | 3D鉄筋から2D配筋図を作成 |
| PowerPack Rebar(GRAITEC) | Revitアドイン | スラブ・壁・梁・柱・基礎の鉄筋かごを自動作成、FEM結果に基づく | 米国・欧州基準への準拠をうたう | 図面・文書・一覧表の自動化をうたう |
| Naviate Rebar(Symetri) | Revitアドイン | 事前に決めた設定で梁・柱・壁の鉄筋を自動作成、複数部材に一括適用 | プロジェクトの鉄筋タイプ・形状コード・かぶり設定を読み込んで使用 | 公開ページで未確認 |
| REBO(チャンソフトグローバル) | Revitアドイン(2026・2027) | 躯体モデル全体の柱・梁・壁・スラブ・基礎を一度に | KCI・KSEA基準で継手位置・方式、定着、かぶり、定尺長さを判断 | 配筋確定と同時に数量を再算出、Revit一覧表・数量表はRVへ |
Revitの中では、Autodeskが配置ツールを強化し続け、アドインが設定ベースの一括作成と図面化を担っています。アドインが公開資料でうたう基準は、ほとんどが欧州・米国の基準です。韓国の配筋基準(KCI・KSEA)を内蔵していると明示したRevitアドインは、公開資料では見つかりませんでした。
3鉄筋を置くことと、条件を決めること
配筋自動化には二つの層があります。一つは自動配置(Auto-placing)で、鉄筋を3D空間に作って置くことです。上の表の製品の多くがこの領域を扱います。もう一つは自動セッティング(Auto Configuration)で、継手の位置・長さ・方式、定着方式、かぶり厚さ、定尺長さを条件に応じて決めることです。
自動セッティング(Auto Configuration)— REBOがKCI・KSEA基準で行うこと
自動配置(Auto-placing)— Revit標準機能とほとんどのアドインが行うこと
自動セッティングは、基準書を入れるだけでは終わりません。同じ基準でも、継手をどの区間でずらして設けるか、定尺鉄筋を何メートルで切って発注するかは、現場の慣行と経験が混ざった判断です。この判断が人の手に残っていると、担当者が替わるたびに結果が変わり、その差は数量表にそのまま残ります。
4REBOが行うこと
REBOはRevitの躯体モデルを読み込んで柱・梁・壁・スラブ・基礎を認識し、KCI・KSEA基準で鉄筋を作成します。鉄筋を置くだけで終わらず、継手位置と継手方式、定着、かぶり、定尺長さを条件に応じて判断します。配筋が確定すると鉄筋数量をすぐに再算出し、結果はRevitの一覧表で確認します。鉄筋ごとに形状・長さ・数量がRevitのプロパティとして残ります。
実在の建物1棟、部材778を読み込み、鉄筋67,360本を作成するのにかかった時間は9分13秒でした(社内測定、Revitモデルへの反映を含む)。他のソフトウェアを行き来せず、Revitひとつで完結します。
基礎スラブ
0:38
2,046本
柱
0:15
1,068本
壁
3:09
48,680本
梁
1:39
5,002本
スラブ
3:19
7,846本
階段
0:11
2,718本

REBOはRevit上でゼロから新しく開発しました。判断ロジックの土台は、20年近く自動配筋ソフトウェアを企画・開発してきたチャンソフトグローバルのエンジニアのノウハウです。
5REBOの次はRV、同じ数量表で検討まで
Revit 2027は鉄筋重量を一覧表に自動で入れてくれます。アドインも一覧表と図面の自動化をうたっています。公開資料が説明する範囲は、モデルの中の一覧表までです。実務で数量が問題になるのはその先です。設計がR01からR02に変わったとき、どの部材の鉄筋がなぜ増えたのか、今回の案件が社内で手がけた類似の建物より重いのか軽いのかに答えなければなりません。
RVはチャンソフトグローバルのWebサービスで、REBOが出力した数量表をドラッグ&ドロップするだけで、社内の躯体実績データとして蓄積します。REBOとRVを組み合わせると、次のことが可能になります。
5.1設計変更を部材単位で見る
最大4つのリビジョンを並べて3Dで比較します。追加は緑、変更はオレンジ、削除は赤で表示されます。差分は総量から階・部材・部材IDまで自動で計算されます。コンクリートの形状はそのままで鉄筋だけが変わった場合は「配筋条件変更」として別に区分します。変更リストで項目を選ぶと3Dがその部材を映し、3Dで部材を選ぶとリストで探してくれます。
5.2変更履歴が数字で残る
リビジョンごとにコンクリート・型枠・鉄筋の推移がグラフで蓄積され、変更理由も併せて記録します。数量比較書はWord・PDFですぐに出力できます。担当者が替わっても、数量が今の値になった経緯が残ります。
5.3社内基準線と2D積算との照合
同じ用途・構造形式どうしをまとめて部材別の中央値を示すので、新しいプロジェクトが社内の基準線からどれだけ外れているかがすぐに分かります。積算会社の2D積算結果とBIM数量を同じ表に並べると、差が総量から部材・階別まで出てきて、行ごとに理由を付けて照合書として出力します。
REBOが同じルールで判断した数量表が蓄積されるため、リビジョン間の差を「ルールが違うことによる差」ではなく「設計が変わったことによる差」として読むことができます。元のファイルは送信しません。数量表はブラウザの中で解析し、数値レコードだけを保存します。RVは現在ベータ版で、2026年11月30日まで無料で提供します。
6今できることと、次のバージョンでできること
| バージョン | 時期 | 内容 |
|---|---|---|
| v1.0 · 現在 | 2026年10月リリース | 主要部材の自動配筋:柱・梁・壁・スラブ・基礎 自動セッティング:継手位置・方式、定着、かぶり、定尺長さ 配筋確定と同時に数量を再算出 配筋基準 KCI・KSEA Revit 2026・2027対応 |
| v2.0 | 2027年(計画) | 対応部材の拡大 継手・定着・かぶりの詳細設定 |
| v3.0 | 2028年(計画) | 施工図の自動作成 加工・発注との連携 ACI・Eurocode配筋基準 |
v1.0は施工図の代わりにはなりません。図面化はv3.0で提供する予定です。海外の基準(ACI・Eurocode)もロードマップの項目です。v2.0・v3.0は計画であり、日程は変わる可能性があります。
7まとめ
Revit 2027によって、鉄筋を配置するツールは一段と良くなりました。Revitアドインも設定ベースの作成と図面化を広げています。韓国の現場に残る問いは、KCI・KSEA基準に合わせて継手・定着・かぶり・定尺長さを誰がどう決めるのか、そしてそうして出た数量をリビジョンやプロジェクトを越えてどう比較するのか、です。REBOは前者をRevitの中で、RVは後者を同じ数量表で扱います。2週間の評価版で、お手元のRevit躯体モデルに直接お試しいただけます。製品の詳細はREBO製品ページをご覧ください。
出典
- What's New in Revit 2027(2027・2027.1・2027.2 リリース項目、2026-10-23確認)Autodesk(公式)
- What's New in Revit 2027: A Smarter, More Connected Way to Work(Cesar Escalante、2026-04-07)Autodesk AECブログ(公式)
- Essential Techniques and Best Practices for Rebar Detailing Using Revit(BES3516)ハンドアウトAutodesk University 2025(公式)
- automatic rebar splitting(2017-04-21)Autodesk Revit Ideas(コミュニティ)
- Rebar automation like steel connections(2022-09-26)Autodesk Revit Ideas(コミュニティ)
- WOWOW FINALLY AUTODESK LOOKED AT THE REBAR(2026)Reddit r/Revit(コミュニティ)
- Reinforcement 製品ページSOFiSTiK(公式)
- PowerPack Rebar Design & Detailing for RevitGRAITEC(公式)
- Autodesk University 2026 セッション案内GRAITEC(公式)
- Naviate RebarNaviate(公式)
本記事は公表資料をもとに整理したものであり、法令の解釈や助言ではありません。制度は随時変わりますので、実際の適用にあたっては原文および所管機関の最新の公表内容をご確認ください。
