形状はBIMに来た。配筋検討だけが、まだ白図に残っている。
柱脚メーカーの資料一覧には、「BIM用柱脚データ」と「配筋検討用白図」が並んでいる。形状は3次元に来た。けれど鉄筋との取り合いを確かめる作業だけは、いまも2次元の紙の上にある。
公開 2026年8月4日·確認時点 · 2026年8月
要点
- メーカーの資料は形状はBIMデータ、配筋検討は2Dの白図に分かれている
- 露出柱脚のように入り組んだ形状を実際にモデル化すれば、干渉検討そのものが2次元から3次元へ
- BuilderHub-Rは柱脚製品のデータを内蔵。製品記号を選ぶだけで、別途の入力なしにモデリングを始められる
1メーカーの資料一覧が示していること
柱脚メーカーが配布している資料をならべてみると、そのことがはっきり分かる。施工マニュアル、評定書、設計施工標準図、柱脚詳細図。そして「BIM用柱脚データ」。同じリストのなかに、「配筋検討用白図」もある。
形状は3次元に来た。けれど鉄筋との取り合いを確かめる作業だけは、いまも2次元の紙の上にある。

2図面上では収まっている
アンカーボルト、アンカーフレーム、基礎の上端筋・下端筋、基礎梁の主筋、柱型のフープ。これらが錯綜する数十センチの範囲は、図面の上ではきちんと収まっている。現場に出て、初めて「入らない」と分かる。
これまで柱脚まわりの干渉は、断面図と白図を重ねて2次元で確かめるしかなかった。断面を何枚か切って、柱脚まわり全体を代表させる。切った位置の外で何が起きているかは、見えない。

3カタログの図を、そのまま形状にする

アンカーフレームは、コンクリートを打てば見えなくなる。それでも配筋の可否を決めているのは、この部材である。上下のテンプレートが占める高さ、フレームポストが立つ位置。ここを省略して箱にしてしまうと、干渉検討でいちばん効く部分が消える。
4なぜ「実際の形状」でなければならないのか
露出柱脚のように部材が入り組んだ形状を実際にモデル化すれば、干渉検討そのものを3次元で行える。記号や箱ではなく実形状で持つことで、次の5つが変わる。
- 検討が2次元から3次元になる 代表断面ではなく、柱脚まわり全体をそのまま見る。
- 干渉が「何ミリ足りない」で出る アンカーフレームの下部フレームやフレームポストは、白図の上ではただの線だが、現実には基礎の上端筋・下端筋が通るべき高さを占有している。
- 柱型立上り部の鉄筋がアンカーボルトの間を抜けられるかが判定できる ボルトの実径とピッチ、フープの曲げ半径があって、初めて成り立つ問いである。
- 配筋と数量が、同じモデルから出る 柱脚まわりのコンクリート欠除も鉄筋の長さも、別々の入力に分かれない。
- 施工の順序が見える アンカーフレームを先に建ててから配筋する工程なので、「後から鉄筋が入らない」状況を、着工前に見つけられる。
5製品記号を選ぶ。それだけで始められる

BuilderHub-Rには、日本で広く使われている露出柱脚製品のデータが内蔵されている。製品記号を選ぶだけで、アンカーボルトの本数、ベースプレートの板厚といった細かな仕様が自動で設定され、別途の入力なしに、そのままモデリングを始められる。
この画面でできるのは、製品仕様の確認だけではない。柱脚まわりのRC柱型の情報も、ここで設定する。右側に並んでいるのがその設定項目で、構成は伏せてある。ただ、やっていること自体は単純だ —— 製品記号ひとつから、柱型の配筋条件までが決まる。
出来上がったモデルは、周囲の鉄筋との干渉を3D画面上でリアルタイムに確認できる。設計検討の時間を減らし、着工前に問題を見つける。
その「設定」のなかには、人が図面をたどって決めていたものもある。たとえば柱脚下部のかぶりは、BuilderHub-Rが接続部を探索して自動で計算する。柱脚まわりのRC配筋にも対応している。
そして干渉が見つかれば、その場で直せる。選択した部材だけを対象に鉄筋干渉検討をかけ、定着の長さと方式、継手、鉄筋のノードを編集して収める。見つける場所と直す場所が、分かれていない。
人が決めていたのは、鉄筋の「配置」ではなかった。継手・定着・かぶりの「設定」のほうだった。
出典
- ベースパック総合カタログ VOL.1(柱脚概要図・資料一覧)旭化成建材 · 岡部
- NCベースP — 露出型弾性固定柱脚工法日本鋳造
- ハイベースNEO工法センクシア
- スマートベース工法カタログ東京鉄鋼
本記事は公表資料をもとに整理したものであり、法令の解釈や助言ではありません。制度は随時変わりますので、実際の適用にあたっては原文および所管機関の最新の公表内容をご確認ください。
